認知症そのままでいい

上田 諭

「本人の思い」を大切にしていますか? 治らなくていい、と知れば楽になれる。見方を切り替えるためのヒント・アドバイスを認知症の専門医が考え抜きます。

認知症そのままでいい
  • シリーズ:ちくま新書
  • 880円(税込)
  • Cコード:0247
  • 整理番号:1584
  • 刊行日: 2021/07/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:224
  • ISBN:978-4-480-07409-6
  • JANコード:9784480074096
上田 諭
上田 諭

ウエダ サトシ

戸田中央総合病院(埼玉県戸田市)メンタルヘルス科部長。北辰病院(埼玉県越谷市)精神科高齢者専門外来担当。京都府生まれ。1981年関西学院大学社会学部卒業。9年間の朝日新聞社勤務(記者)を経て、96年北海道大学医学部卒業。東京都老人医療センター(現東京都健康長寿医療センター)精神科、日本医科大学精神神経科講師、東京医療学院大学教授などを経て、現職。日本老年精神医学会、日本総合病院精神医学会、日本精神神経学会などの専門医・指導医。医学博士。臨床心理士。著書に、『治さなくてよい認知症』『高齢者うつを治す―「身体性」の病に薬は不可欠』(日本評論社)、『不幸な認知症 幸せな認知症』(マガジンハウス)などがある。

この本の内容

日本の人口の4人に1人が高齢者となった現在、高齢者の5人に1人(85歳以上ならほぼ2人に1人)は認知症という状況である。認知症は老いた人の脳に起こる「自然な現象」であり、受容し悲観しないことが、介護する人・される人双方にとって幸せにあるためのスタート地点である。本書では、治らなくていい、と心から思えるように気持ちや見方を切り替え、認知症の人を助け、いたわり、共にできることを、認知症を専門とする精神科医の立場から考える一冊である。

この本の目次

序章 認知症を喜んで受け入れること(認知症は「特別な病気」ではない
堂々と認知症になれる社会へ)
第1章 認知症の大誤解(認知症は予防できない、治らない
早期発見しても治す薬はない
注意することで記憶はよくならない
認知症の人は明るく、元気である)
第2章 認知症の人の行動をよみとく(行動心理症状(BPSD)とは何か
一日中の物探し
物盗られ妄想
近しい人を間違える
あてもなく歩き回る徘徊)
第3章 認知症の人を受け入れ、向き合うために(本人の話を聴く
認知症のレッテルを貼らない
人として尊重すること)
第4章 認知症をめぐる難題をときほぐす(監視・身体拘束をどう考えるか
認知症へのとらわれと誤診
医者にどう頼るべきか)

読者の感想

2021.8.31 パピ子

この本に出会えて本当によかったです。認知症の母がおりますが認知症を「治す」とか「防ぐ」という考え方には以前から違和感がありました。著者の上田先生は「治さなくていい。そのままで。周囲の見方や気持ちの切り替えが大切。」と説いています。認知症が進むと周囲が不幸、大変…と思われていますが何より辛いのは認知症の当事者でありその気持ちを理解しようと寄り添うことが大切だと理解しました。この考え方が広まりますように。私自身この気持ちを忘れたくないので何回も読みます。大切な一冊になりました。

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