根岸洋
( ねぎし・よう )1979年秋田県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。2002年、東京大学文学部卒業。2010年、東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻博士課程単位取得満期退学、同年博士(文学)取得。青森県教育庁文化財保護課文化財保護主事、国際教養大学助教・准教授を経て2021年より現職。著書に『東北地方北部における縄文/弥生移行期論』(雄山閣、2020年)、『紀元前一千年紀前半の気候変動期における縄文晩期社会システムの変容プロセス』(編著、2021年)ほか多数。
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2021年7月、国際記念物遺跡会議(イコモス)によって、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に加えられた。しかし、「縄文」とは一体何を指しているのだろうか。「縄文」は日本列島全体に広がる均質な文化として描かれがちだ。しかし、その実態は地域色豊かな文化の集合体だった。今回の世界遺産登録にも携わった気鋭の考古学者が、その選定プロセス、海外の遺産との比較などを通して「縄文」に新たな光を当て、さらに世界遺産というプロジェクトが体現する人類の「普遍的価値」とは何かを問いなおす。
第1章 縄文を問い直す(問題の所在
縄文遺跡群と世界遺産
「縄文文化」を考える
「縄文文化」論に向けて)
第2章 先史遺跡と世界遺産(世界遺産のイメージ
世界遺産に選ばれるまでのプロセス
先史時代の遺跡を世界遺産にするということ
地下遺構と世界遺産
縄文遺跡群と景観
考古遺物と世界遺産)
第3章 世界の先史時代との比較(比較の視点
世界遺産一覧表における縄文遺跡群
西アジアとの比較
ヨーロッパとの比較
アメリカとの比較
東アジアとの比較)
第4章 縄文遺跡群と「縄文文化」(世界遺産と文化多様性
「縄文文化」の複層性と多様性
「北海道・北東北の縄文遺跡群」
過去の文化への眼差し)
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