奇想の図譜 ─からくり・若冲・かざり
北斎、若冲、写楽、白隠、そして日本美術を貫く奔放な「あそび」の精神と「かざり」への情熱。奇想から花開く鮮烈で不思議な美の世界。
【解説: 池内紀 】
日本の美を貫くモチーフはなにか。『奇想の系譜』でセンセーションを巻き起こした当代一の美術史家が、縄文土器以来の歴史を渉猟しつつ、日本美術の独創的なおもしろさを掬いとり、その源泉を探る。をこ絵、絵巻、屏風絵から若冲、白隠、写楽、北斎の作品まで、そこに伏流する日本人の好奇心、奔放で闊達な「あそび」の精神、現世を金色の浄土に変化させる「かざり」への情熱を縦横に論じる。奇想から花開く鮮烈で不思議な美の世界へ読者をいざなう、刺激的な日本美術案内。
1 自在なる趣向(北斎のワニザメ
波の変幻
浮世の眺め―舟木家本「洛中洛外図」
「からくり」のからくり)
2 アマチュアリズムの創造力(若冲という「不思議の国」―「動植綵絵」をめぐって
稚拙の迫力―白隠の禅画
写楽は見つかるか?―ある架空の問答)
3 「かざり」の奇想
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