夜の鼓動にふれる ─戦争論講義
「文明の進歩」の果てに行き着いた究極の戦争とは
20世紀以降、戦争は世界と人間をどう変えたのか。思想の枠組みから現代の戦争の本質を剔抉する。文庫化に当り「テロとの戦争」についての補講を増補。
20世紀、戦争は人と世界をどう変えたのか。そしていま、戦争が行き着いた極限の姿とは。「戦争」を「思想」の枠組みで捉え、「思想」を「戦争」の視角から読み直す、異色の講義録。理性、秩序、啓蒙といった西洋思想における「光」の外には、非理性、無秩序、野蛮、暴力などの「闇」が蠢く。戦争は闇が支配する「夜の世界」の現象、近代の理性が沈む夜だ。「夜の思想家」バタイユ、レヴィナス、ブランショらを導き手に、ヘーゲル、フロイト、ハイデガーらの思想を読み解き、近代理性が必然的に生み出した世界戦争の姿を明らかにする。文庫化にあたり補講「『テロとの戦争』について」を増補。
世界戦争の時代
戦争の全体性
“夜”に目覚める
“光”の文明の成就
戦争の近代
世界戦争
ヘーゲルと西洋
露呈する“無”
“世界”の崩壊
“未知”との遭遇
アポカリプス以後
おわりに
二〇年目の補講―テロとの戦争について
2015.12.22 白井守
一読、色々なことが"腑に落ちた"。
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