五・一五事件 ─橘孝三郎と愛郷塾の軌跡
農村指導者・橘孝三郎はなぜ五・一五事件に参加したのか。事件後、民衆は彼らを熱狂的に支持した。貧困が生み出した歴史の教訓とは。解説 長山靖生
1932年、海軍青年将校らが起こした5・15事件。犬養首相射殺のほかに農村有志による変電所襲撃も決行され、その指導者は橘孝三郎。農村の改良活動を実践していた橘は、テロへと突き進んでいった。農村と都市の格差のなか、民衆は青年将校たちの減刑を叫んだ。しかし事件は戦争突入への序曲となる…。昭和の転換点を橘孝三郎ら農村の視点からとらえた名著文庫化。
1 一高を去る
2 兄弟村
3 愛郷会
4 パニック
5 満州事変前後
6 決行者たち
7 五月十五日
8 人身御供
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