陸軍将校の教育社会史(上) ─立身出世と天皇制
戦時体制を支えた精神構造は、「滅私奉公」ではなく「活私奉公」だった。第19回サントリー学芸賞を受賞した教育社会史の傑作が、待望の文庫化!
天皇制イデオロギーの「内面化」が、戦時体制を積極的に担う陸軍将校を生み出したというのは真実か。本書は、膨大な史料を緻密に分析することを通じて、これまで前提とされてきた言説を鮮やかに覆していく。戦前・戦中の陸軍将校たちは、「滅私奉公」に代表されるような従来のイメージとは異なり、むしろ世俗的な出世欲をもつ存在だった。秩序への積極的な同化こそが、陸軍将校を生んだ。上巻には、「序論 課題と枠組み」から「第2部 陸士・陸幼の教育」第2章までを収録する。第19回サントリー学芸賞受賞作、待望の文庫化。
序論 課題と枠組み
第1部 進路としての軍人(陸士・陸幼の採用制度の変遷と競争の概観
下士から将校への道
進学ルートとしての評価
将校生徒の社会的背景)
第2部 陸士・陸幼の教育(教育目的とカリキュラム
教育者と被教育者)
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