隣国の発見 ─日韓併合期に日本人は何を見たか
日韓併合期に朝鮮に暮らした日本人は、その自然や文化に何を見たのか。安倍能成、浅川巧ら優れた観察者のエッセイを通じて、朝鮮統治期に新たな光を当てる。
日韓併合期(一九一〇〜一九四五年)の日本人のなかには、朝鮮の人や自然や文化を体験し、観察し、優れたエッセイを残した者たちがいた。谷崎潤一郎はその風景を「純然たる日本画の絵の具の色」と描き、柳宗悦や河井寛次郎は人々の生活ぶりに理想郷を見出した。新渡戸稲造が「彼等は実に有史以前に属するものなり」と断じた一方、安倍能成はステレオタイプと格闘した。植民地支配の産物として顧みられなかったこれらの作品を読み直し、日本人が発見した隣国の姿を浮かび上がらせる。
第1章 朝鮮の山河(海峡を越えて
禿山と岩山
朝鮮の山河)
第2章 隣国の発見(少年の日の思い出
家の近所はすぐ市場だった
大人たちの見たもの
白磁の美の発見)
第3章 もう一つの眺め(非好感の眺め
朝鮮人とはだれか)
第4章 京城の歩く人(安倍能成の朝鮮エッセイ
浅川巧への惜別の辞)
第5章 旅する科学者(挾間文一と辺境の地への旅
挾間文一の日記
朝鮮に与えられ、また与えた人)
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