環境思想とは何か ─環境主義からエコロジズムへ
<緑の社会>への可能性
今日の地球環境危機は、われわれに対症療法的な対応ではなく、既存のシステム自体の変革を迫っている。その推進力たる「環境思想」を初めて包括的に論じた一冊。
- シリーズ:ちくま新書
- 946円(税込)
- Cコード:0295
- 整理番号:815
- 刊行日:
2009/11/09
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:新書判
- ページ数:304
- ISBN:978-4-480-06519-3
- JANコード:9784480065193
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今日の地球環境危機は、産業革命以来の物質文明のあり方に対して、われわれに根本的な変革を迫っているといっても過言ではない。そのために本書ではまず、このような危機的状況をもたらした近代産業主義思想そのものを問いなおし、近代から現代に至るまで「環境問題」をめぐってどのような思想が展開されてきたのかを多角的に検討していく。これらの作業は“緑の社会”を実現していく上で重要な示唆を与えてくれるだろう。
まえがき―地球環境危機と環境思想の役割
第1章 環境思想とは何か―基本的視点と展開
第2章 豊かな社会のディレンマ
第3章 環境思想の登場
第4章 変革思想としての環境思想―その五つの潮流
第5章 環境思想の現代的展開
第6章 現代環境思想は何をめざすべきか
おわりにかえて―「ヘッチヘッチ論争」再考
2010.1.13 Pathfinder
環境に興味がある自分にとって、新しい視点で環境を考えさせてくれる本でした。
ともすれば環境哲学や環境倫理学などの内面的な思想が先行しがちな日本において、それとは全く異なる現実的かつ外面的な思想(例えば環境政治思想・環境経済思・環境法思想)を提起している点で、この著者に視点はとてもユニークです。
そして、「経済成長と生態系の維持」というテーマに対して、人間が自然を利用するための「環境保全」と、人間と自然が共存するための「環境保存」という2つの環境思想を取り上げた上で、前者を経済的視点による対症療法であると批判し、後者における生態系の持続可能性から捉えるべきだと訴えています。このように環境問題を現代文明の根本的な課題として捉え、真剣に対峙するべきものだと考えさせる良書です。
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