B−29の昭和史 ─爆撃機と空襲をめぐる日本の近現代
B-29はいかにして、太平洋戦争そのものを象徴する存在になったのか。戦略爆撃機の開発から『火垂るの墓』まで、豊富な資料で読み解く縦横無尽のB-29史。
B‐29―太平洋戦争を描いた作品には必ずと言っていいほど登場する戦略爆撃機である。一九四〇年代初頭に開発され、当時としては破格の五〇〇〇キロメートル以上の航続距離を誇ったこのアメリカ軍の長距離重爆撃機は、一九四四年六月以降本土空襲を繰り返し、広島と長崎に原子爆弾を落とした。模型や爆音レコードが販売される戦時下の“人気コンテンツ”となったB‐29は、今も『火垂るの墓』などを通して知られている。B‐29はいかにして、太平洋戦争そのものを象徴する存在になったのか。豊富な資料から読み解く、B‐29と日本人の歴史。
1 B‐29の誕生(「戦略爆撃」という思想
B‐29の誕生まで)
2 戦前日本の空襲観(飛行機が帝国を表象する
海野十三と防空小説
日中戦争における空襲観)
3 本土空襲(日本本土空襲のはじまり
B‐29、東京上空に現れる
体当たり攻撃をめぐって
振りまかれる恐怖
B‐29搭乗員の処遇)
4 戦後のイメージ形成(敗戦から占領期の語り
アメリカの基地として
野坂昭如と B‐29
B‐29は美しかったのか)
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