名前も呼べない
第31回太宰治賞を受賞し、その果敢な内容と巧みな描写で話題を集めた著者のデビュー作がより一層の彫琢を経て待望の文庫化! 解説 児玉雨子
元職場の女子会で恵那は恋人に娘ができたことを知らされる。かつての父との出来事や、異性装の親友メリッサに救われた大学の飲み会、保育園で誤解を受けた保護者との関係、自身の女性性をもてあまし、生きづらさを抱える恵那の支えとなっていた恋人の裏切りを知り、自暴自棄となった恵那が伸ばす手の先にあるものは―。第31回太宰治賞受賞作がついに文庫化!
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