牧野植物図鑑の謎 ─在野の天才と知られざる競争相手
最も有名な植物学者・牧野富太郎には「ライバル」がいた――? 博士と同時に別の植物図鑑を出版したある男との関係を読む図鑑史。解説 大場秀章
1925年、牧野富太郎『日本植物図鑑』と同時に『大植物図鑑』を刊行した元・教師がいた。かつては牧野博士を頼り、その後の編集活動では博士の図鑑と当時の人気を二分しながらも、現在はほぼ忘れ去られた村越三千男とは一体何者だったのか?二冊の刊行日から本国の図鑑黎明期における出版競争を見出した著者が、魅力溢れる「在野」二人の仕事と植物図鑑の歴史を探る。
序章 牧野植物図鑑との出会い
第1章 牧野富太郎の人間像―型にはまらぬ破調の美(「博物図」に見入った子供時代
近代植物学の夜明け時に頭角を現す
個性的で話題の多い私生活
牧野富太郎の業績)
第2章 牧野植物図鑑の謎を追う(第一の謎 牧野富太郎と村越三千男の間に何があったのか―『日本植物図鑑』と『大植物図鑑』の出版競争
第二の謎 植物図鑑は牧野富太郎の発明品か―植物図鑑のルーツを探る
第三の謎 なぜ明治四〇年ころに多くの植物図鑑が現れたのか―理科の教科書は身近な自然
第四の謎 牧野が『牧野日本植物図鑑』で「警告」した相手はだれか)
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