動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある
動物における諸問題を扱った伝説的な講演を編集したデリダ晩年の到達点。伝統的な西洋哲学における動物観を検証、脱構築する。解説 福山知佐子
一糸まとわぬ自分の姿を猫に見つめられた哲学者は、正当化不可能な、そして告白不可能な恥に襲われる―何が恥ずかしいのか、誰の前で裸なのか、と。本書は、動物についての諸問題を扱った伝説的なコロックにおける講演と、補論として即興で語られたハイデッガー論を収録。自らの経験を「自伝」的語りとして差し出し、聖書や神話を分析しつつ“動物”をめぐるこまやかな考察を展開する。デカルト、カント、レヴィナス、ラカン、ハイデッガーの動物観を検証し、動物をロゴスが欠落した存在とみなして排除してきた哲学伝統の脱構築に向かう思考の挑戦。
1 動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある(続く)
2
3 ではもし動物が応答したら?
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