歴史学の擁護
ポストモダニズムにより歴史学はその基盤を揺るがされた。学問を擁護すべく著者は問題を再考し、論議を投げかける。原著新版の長いあとがきも訳出。
過去の出来事について真の洞察に到達するために歴史家ができることとは何か―。この問いは、ポストモダニズムの登場とともに抜き差しならないものとなった。歴史学をこれまで支えてきた、客観性や因果関係といった概念が強く揺さぶられることになったからである。歴史理論と歴史学的実践の双方に目を配りながら、著者は、信頼に値する確かな知識を得るための方途を探りなおす。世界的に歴史教育の現場で読まれ、多くの論議を呼んだ作品がここに文庫化。数多の批判に応答した原著新版の長いあとがきも併せて訳出。
第1章 歴史学の歴史
第2章 歴史、科学、倫理
第3章 歴史家と歴史事実
第4章 史料と言説
第5章 歴史における因果関係
第6章 社会と個人
第7章 知と権力
第8章 客観性とその限界
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