ナチズムの美学 ─キッチュと死についての考察

ソール・フリードレンダー 著 , 田中 正人 翻訳

ナチズムに民衆を魅了させた、意外なものの正体は何か。ホロコースト史研究の権威が第二次世界大戦後の映画・小説等を分析しつつ迫る。解説 竹峰義和

ナチズムの美学 ─キッチュと死についての考察
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,210円(税込)
  • Cコード:0122
  • 整理番号:フ-49-1
  • 刊行日: 2023/01/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:256
  • ISBN:978-4-480-51161-4
  • JANコード:9784480511614
ソール・フリードレンダー
ソール・フリードレンダー

ソールフリードレンダー

ソール・フリードレンダー(Saul Friedlander):1932年プラハ生まれ。ナチスの迫害を逃れて少年時代にフランスへ移住。テル・アヴィヴ大学教授等を経て、UCLA名誉教授。専攻、ナチズム研究、ホロコースト研究。著作は多数あり、代表作の二部作Nazi Germany and the Jews: The Years of Persecution, 1933−1939(1997年)、 Nazi Germany and the Jews: The Years of Extermination, 1939−1945(2007年、ピュリッツァー賞)が特に知られる。

田中 正人
田中 正人

タナカ マサト

田中正人 (たなか・まさと):1944年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程満期修了。専攻、フランス史・政治史。愛知大学名誉教授。

この本の内容

何によって民衆はナチズムに魅惑されたのか。本書は、第二次世界大戦後につくられた映画・小説等を中心に言説分析を行うことにより、ナチスに魅入られた大衆心理の意外な正体を暴きだす。『地獄に堕ちた勇者ども』『リリー・マルレーン』『ブリキの太鼓』『ヒトラー、あるいはドイツ映画』等の作品中に、記憶と想像力によって再構成された第三帝国の姿。そこから照射されてくるのはキッチュと死という二要素の「完全な綜合」であり、それこそが第三帝国の美学の本質であると、ホロコースト研究の大家である著者は喝破する。ナチズム研究にいまなお影響を与え続ける古典的名著。

この本の目次

序論
第1章 ナチズムの美学と言語―キッチュと神話と死(死と破壊のキッチュ
アルカイックな伝説の世界 ほか)
第2章 二つのヒトラー像―キッチュとニヒリズムの魅惑力(ヒトラーの個人生活の細部についての叙述
日常生活の細部と虚無の力との並置 ほか)
第3章 悪魔祓いの諸形態―言語の麻痺と新たなディスクール(過去の無毒化ないし隠蔽としての悪魔祓い
歴史修正主義―意識的な悪魔祓い ほか)
第4章 ナチズム解釈の問題点―綜合的視点の必要性(合理的・学術的解釈
全体主義論による解釈 ほか)

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