樺太一九四五年夏 ─樺太終戦記録

金子 俊男

突然のソ連参戦により地獄と化した旧日本領・南樺太。本書はその戦闘の壮絶さを伝える貴重な記録だ。長らく入手困難だった名著を文庫化。解説 清水潔

樺太一九四五年夏 ─樺太終戦記録
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 2,090円(税込)
  • Cコード:0121
  • 整理番号:カ-57-1
  • 刊行日: 2023/07/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:752
  • ISBN:978-4-480-51192-8
  • JANコード:9784480511928
金子 俊男
金子 俊男

カネコ トシオ

金子 俊男(かねこ・としお):1929-2006年。樺太豊原市の出身。北海道の地方紙、北海タイムス社に勤務し、社会部長や編集委員などを務めた。在職中に約四〇〇人の関係者に取材し、北海タイムスに本書の元となった連載「樺太終戦ものがたり」を連載した。北海タイムス社退職後は、北海道観光百景社で編集担当役員を務めた。本書をもとに真岡郵便電信局の女性電話交換手9人の最期を描いた映画『樺太1945年夏 氷雪の門』が作られた。

この本の内容

第二次大戦における沖縄戦が「国内唯一の地上戦」と語られることがある。しかし実際にはもう一つの熾烈な地上戦があった。旧日本領南樺太へのソ連侵攻である。1945年8月9日朝、ソ連軍は突如日ソ中立条約を破棄し、日本軍の軍事施設、警察施設を攻撃する。侵攻を想像しなかった日本側には、戦車の鋼板を打ち破れる火砲は数門あるのみ。残された手段は破甲爆雷を背負って飛び込むしかなかった。満足な武器もない兵士たちはわが家の見える丘の上で死んでいき、守る者のいない市民は地獄の苦しみに突き落とされた。わずか2週間で4千人以上の戦死者を出した悲劇の記録。

この本の目次

凍土に起る砲声
風騒ぐ国境線
緒戦における国境戦闘
国境戦線異状あり
古屯の激戦
八方山の戦闘停止
混乱の始まり
ソ連軍、塔路に進攻
恵須取、上恵須取の壊滅
死の避難行
非情の果て
三引揚げ船の遭難
地獄図絵、真岡の町
戦い敗れて…
第一大隊かく戦えり
樺太一九四五年八月以後

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