タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース
都心の古ぼけた団地で5歳上の姉・七海と暮らすみかげ。未来に希望が持てず「死」に惹かれる彼女の前に団地警備員を名乗る老人が現れ、日常は変わり始めていく。
都心の古ぼけた団地で、姉と二人つましく暮らすみかげ。時代の吹きだまりのような場所で、明るい未来が思い描けず「死」に惹かれる彼女の前に団地警備員を名乗る老人が現れ、日常は変わり始めていく―。
2023.2.13 フミフミ
スマホや携帯の描写が少なくて、30年ほど前まで住んでいた中野の都営アパートを思い出しながら読みました。
両親が管理人をしていた都営アパートでの暮らしは私の原点です。団地警備員をしていた気がします。つながりとか絆とかの言葉を使わずとも、お互いに見守り、助け合うムードがありました。面倒臭かった落ち葉掃き、共有スペースの掃除、大通りに面していて、手伝っているところを同級生ににみられるかも、と自意識過剰気味だった頃と重なり、一気に読了しました。
食べる、寝るをはじめとする日常の営みを大切に表現してくださり、ありがとうこさいました。
涙が溢れて、電車で読んでは行けない一冊がまた増えてしまいました。
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