海をあげる
どうして目の前の日々が、ここまで政治とつながらないのか。沖縄に暮らす著者は、自らの声を聞き取ろうとする。『裸足で逃げる』から3年、初めてのエッセイ集。
おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。幼い娘を抱えながら、理不尽な暴力に直面してなおその目の光を失わない著者の姿は、連載中から大きな反響を呼んだ。ベストセラー『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』から3年、身体に残った言葉を聞きとるようにして書かれた初めてのエッセイ集。
美味しいごはん
ふたりの花泥棒
きれいな水
ひとりで生きる
波の音やら海の音
優しいひと
三月の子ども
私の花
何も響かない
空を駆ける
アリエルの王国
海をあげる
調査記録
2020.12.02 麻生修子
著者の正直であたたかく飾らない人柄がじかに心にしみてくるような本でした。困難を抱えた若い女性たちへの支援には本当に頭がさがります。わからないことはわからないままに、けっして断定的な口調にならないところに共感できます。詩のようになめらかな美しい文章はこの方でなければ書けないものだとも思いました。
お子さんの育て方にもとても感心しました。とうに子育てを終えた身にも教わることがたくさんあり、子育て真っ最中の娘たちに勧めたい本です。娘たちには同時に沖縄のことも知ってもらいたいと思っています。
私も辺野古や高江に何回か足を運んだり、地元の仲間と集会を開いたりしてきましたが、それで十分と思ったことはなく、常に悶々とした気持ちを抱いてきました。この本を読み終えて、さらに大きな荷物を手渡されたような気がしています。この気持ちを忘れないようにして次にやるべきことを考えます。
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