ゴシックとは何か ─大聖堂の精神史

酒井 健

中世キリスト教信仰と自然崇拝が生んだ聖なるかたち。その思想をたどり、ヨーロッパ文化を読み直す。補遺としてガウディ論を収録した完全版。

ゴシックとは何か ─大聖堂の精神史
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,100円(税込)
  • Cコード:0170
  • 整理番号:サ-20-1
  • 刊行日: 2006/05/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:320
  • ISBN:978-4-480-08980-9
  • JANコード:9784480089809
酒井 健
酒井 健

サカイ タケシ

一九五四年、東京生まれ。一九七八年東京大学仏文科卒、同大学大学院進学。パリ大学でバタイユ論により博士号取得。現在、法政大学文学部教授。専門は、フランス現代思想、西欧文化史。著書に『バタイユ入門』(ちくま新書)、『ゴシックとは何か』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『バタイユ──聖性の探究者』(人文書院)、『絵画と現代思想』(新書館)、『シュルレアリスム──終わりなき革命』(中公新書)、訳書にバタイユ『エロティシズム』『ランスの大聖堂』『純然たる幸福』『ニーチェ覚書』(以上、ちくま学芸文庫)、『ニーチェについて』(現代思潮社)がある。

この本の内容

おびただしい柱列、過剰なまでの突起や彫刻、秩序や比例を超える高みをめざしたゴシック建築。アミアン、ケルン、シャルトルなどヨーロッパの多くの都市に今も残るこれらの教会の異様な建築様式はなぜ生まれたのか。聖堂内部は大自然のイメージで彩られ、故郷を追われた異教徒である農民たちの信仰心をキリスト教化するのに役立つ一方、その昇高性や過剰な装飾性は国王や司教たちの権威の格好の象徴となった。ゴシック様式を論じるにとどまらず、誕生から受難そして復活にいたるまでを、歴史・社会・文化的な深みに降り立ち、十全に解き明かしたサントリー学芸賞受賞の意欲作。ゴシック復活としてのガウディ論を追補した決定版。

この本の目次

第1章 ゴシックの誕生―自然とキリスト教の出会い(大自然への憧憬
死と笑いの聖性
威光と調和)
第2章 ゴシックの受難―変わる美意識、尖鋭化する宗教感情(戦争とペスト
反ゴシックの美学
宗教改革)
第3章 ゴシックの復活―近代はいかに中世を甦らせたか(ゴシック神話―イギリスの場合
生ける全体―ドイツの場合
神秘と感覚と構造―フランスの場合)
補遺 ガウディの願い―近代の二つの表情のなかで

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