増補 折口信夫論

松浦 寿輝

折口の跫音が聞こえる
第九回 三島由紀夫賞受賞作

「伝承」「官能」、多面的で独特の魅力を放つ折口の文章。その言葉、そのものに向き合った著者の代表的論考。三島賞受賞作。
【解説: 安藤礼二 】

増補 折口信夫論
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,210円(税込)
  • Cコード:0139
  • 整理番号:マ-15-2
  • 刊行日: 2008/06/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:272
  • ISBN:978-4-480-09152-9
  • JANコード:9784480091529
松浦 寿輝
松浦 寿輝

マツウラ ヒサキ

1954年、東京生まれ。1980年、東京大学大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(表象文化論)。詩人、作家、映画評論家でもある。2000年、『花腐し』(講談社)で第123回芥川賞受賞。著書に『表象と倒錯』『エッフェル塔試論』『ゴダール』『Y・死・閾』『映画1+1』(筑摩書房)、『半島』(文藝春秋)、『物質と記憶』(思潮社)、『官能の哲学』(岩波書店)、『冬の本』(青土社)など。

この本の内容

主著『死者の書』に代表される折口の幻惑的な世界。著者は「ふと折口みたいな文章が書けたらと夢見てしまう心の弱さを自分の中で力まかせに抑圧してしまうことをせず…折口の言葉そのものの中で折口から遠ざかろうと努める」(本書後記)という姿勢でその世界に挑む。それにより古典的な伝記研究とは一線を画し、折口作品そのものを読み解き、作品と密着した批評の言葉を発生させることで、他の折口論にはない本書固有の表現を勝ち得た。特異な言葉の魅力を具えた折口と、詩・映画評論でも才を発揮する芥川賞作家との深遠なる闘い。そこから評論を超えた言語空間が生まれる。第9回三島由紀夫賞受賞作。

この本の目次

1 音の訪
2 喪の裳
3 襲と褥
4 石と忌
5 擬と移
6 死の贄
補論 不在の殻―折口信夫の戦後

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