しくじった皇帝たち

高島 俊男

天下をパーにした
二代目煬帝と建文帝

隋の煬帝と明の建文帝――彼らはなぜ国を失ったか。ホントとつくり話の襞に分け入り、伝説に覆われた皇帝たちの実像に迫る。文庫オリジナル

しくじった皇帝たち
  • シリーズ:ちくま文庫
  • 748円(税込)
  • Cコード:0122
  • 整理番号:た-37-6
  • 刊行日: 2008/01/09
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:224
  • ISBN:978-4-480-42399-3
  • JANコード:9784480423993
高島 俊男
高島 俊男

タカシマ トシオ

高島 俊男(たかしま・としお):1937年生れ、兵庫県相生市出身。東京大学大学院修了。中国文学専攻。『本が好き、悪口言うのはもっと好き』で第11回講談社エッセイ賞受賞。長年にわたり「週刊文春」で「お言葉ですが」を連載。主な著書に『中国の大盗賊・完全版』『漢字雑談』『漢字と日本語』(講談社現代新書)、『お言葉ですが』シリーズ(文春文庫、連合出版)、『水滸伝の世界』『三国志きらめく群像』『漱石の夏やすみ』『水滸伝と日本人』『しくじった皇帝たち』(ちくま文庫)等がある。2021年、没。

この本の内容

父から受け継いだ巨額の富を浪費し、建国から二代で亡国の憂き目に遭った隋の煬帝。悪逆非道の暴君で名高いが、父を殺し帝位を奪ったのは事実か。祖父から帝位を継ぐや否や奸計を巡らし次々と叔父たちの王国を取り潰した明の建文帝。燕王率いる叛乱軍の侵攻による落城の猛火の中を逃げのびたとされるのは事実か。国家経営をしくじった二人の皇帝―その興亡の顛末をホントとつくり話の襞にわけいり、史実の闇に光をあてた歴史評伝。

この本の目次

隋の煬帝(さあ煬帝のお話のはじまりだ
煬帝はホントに「父殺しの大罪」をおかしたのか
父の遺産を気前よく使って
大臣が叛乱をおこしたl乱世の英雄はこの人、李蜜だ
みじめな煬帝の最期)
露伴『運命』と建文出亡伝説(『運命』と建文出亡伝説
「自跋」について
『駿台雑話』の建文帝
建文帝はどうなったのか?)

読者の感想

2008.2.13 こぶじいさん

 二代目というのは、なかなか難しい立場。初代が立派だと尚更でしょう。 
 本書は、そんな二代目の皇帝たち、隋の煬帝と明の建文帝にスポットライトを当てます。どう当てるかと言うと、両人についてあることないことがでっち上げられていないかと疑うのです。


 とりわけ、明の建文帝に関する章は面白い。
 建文帝は、叔父さんに攻められた際に焼死したのか、それとも逃げて僧侶になったのか。このことを巡り大学者たちが侃々諤々と議論し続け、その余波に巻き込まれ、かの幸田露伴が右往左往する。その様子が本書では描かれています。
 二代目というのは、当人も難しい立場だったであろうが、彼らを巡る人をも難しい立場に立たせてしまう。本書を読んでいると、そういう二代目の魅力と言うか魔力と言うか、そういったものが浮き上がってきました。

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