吉原はこんな所でございました ─廓の女たちの昭和史
しきたり、芸、情緒、風情
松葉屋とともに消えたもの
三歳で吉原・松葉屋の養女になった少女の半生を通して語られる、遊郭「吉原」の情緒と華やぎ、そして盛衰の記録。
【解説: 阿木翁助 猿若清三郎 】
三歳で吉原「松葉屋」の養女になった少女の半生を通して語られる、「吉原」の移り変わりの記録。徳川時代、官許の遊郭として発祥した吉原は第二次大戦中、女たちが軍に徴発され、戦後は占領軍対策にあてられ、売春防止法によって、終焉を迎えた。家の貧困を身一つにひき受けて吉原に来た娘たち、廓で働く人びとの姿、廓の華やぎや情緒を、暖かい眼差しで写しとる。
1章 吉原遊廓(私の生いたち
引手茶屋の跡取りとして ほか)
2章 私が松葉屋に来たころ(女性の純潔が尊ばれた時代
昭和恐慌と吉原 ほか)
3章 戦時下に生きた吉原の女たち(非常時のかけ声の中で
松葉屋の周辺 ほか)
4章 民主主義の時代と吉原(進駐軍と慰安所
赤線の誕生 ほか)
5章 新しい時代に向かって(赤線の中で松葉屋を続ける
「はとバス」コースにのる ほか)
2012.8.26 さとうももよ
遊郭のことを知りたいと思っているときに、この本に出会いました。「よく書いてくださった」と敬意を表します。
時代によって人々は翻弄されます。その中で懸命に生きる女たち。
地方から売られて郭で生き延びた女たち、別世界の疑似恋愛、文化・・・よくぞ語ってくれました。
私たちの「知っていること」って微々たるものですね。
この本に出会えて世界観が変わりました。
感謝です。
亡き母と同世代の著者に力強い人間性を感じました。
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