熊の肉には飴があう
伝説の料理人藤丸誠一郎が繰り出す熊鍋、筍の鉄砲焼き、錆鮎の赤煮、冬泥鰌の筏焼きなどの山里料理。読めばお腹が空いてくる90皿のうま汁小説!
飛騨の古川に、全国から舌の肥えた客が詰めかける一軒の名料理茶屋がある。その名は「右官屋権之丞」。飛騨の匠の末裔が、匠の心はそのままに、鑿を包丁に持ち替えて開いた店だ。扱う食材は、鳥獣、川魚、山菜など周囲にある自然の恵みや、塩鯨など歴史的に用いられてきた素朴な食材のみ。しかし、その素材を活かし切る技法が想像を絶する一皿を生む。ちくま文庫オリジナル。
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