楽園
南国の植物が茂る廃村で突如始まる圭太と「祖父」との奇妙な共同生活。夜毎語られる太平洋戦争の記憶。老人が残したかったものとは? 第32回太宰治賞受賞作。
「引き継いでもらいたいものがある」―会ったこともない「祖父」から届いた一通の葉書。パチンコで稼ぎを食いつぶす警備員の圭太が遺産でももらえるかと出向いた先は、しかし、遠い昔に忘れ去られた廃鉱の窪地だった。コウモリのスープを食べ、南洋の花々に異常な愛情を注ぐ奇妙な老人に強いられて始まった共同生活。圭太の運命はいったいどこに向かうのか―。第32回太宰治賞受賞のデビュー作。
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