詩人/人間の悲劇 ─金子光晴自伝的作品集
常識に抗い、人としての生を破天荒に楽しみ尽くした反骨の男――その鮮やかな視界を自ら描きとる随筆と詩、二つの名作を一冊で。解説 高橋源一郎
今よりはるかに異国は遠く、戦争が眼前にあった頃―。妻と共に海外へ旅立ち、帰国後もあらゆる権力からの支配を厭った金子光晴。「天の邪鬼」な反骨の詩人は、母国を批判し、そして案じた。性と肉体の衝撃に曝された幼少期、放埓な青年期、戦後を経た晩年まで、類なき生涯で眼にした世界の痛みと光を鮮やかに綴る。自叙伝『詩人』と自伝的詩集『人間の悲劇』を併録。
詩人 金子光晴自伝(洞窟に生み落されて
「水の流浪」の終り
棲みどころのない酋長国
解体と空白の時代―戦後)
人間の悲劇(航海について
自叙伝について
亡霊について
死について
ぱんぱんの歌
えなの唄)
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