関東大震災と民衆犯罪 ─立件された一一四件の記録から
関東大地震直後、自警団による朝鮮人に対する襲撃事件が続発する。のちに立件された事件記録・資料をもとに、自警団の知られざる実態が百年を経て明らかになる。
1923年の関東大地震。その直後から自警団による、朝鮮人、中国人らに対する襲撃事件が多発し、日本人を含む多くの犠牲者をだしたが、その実態はいまだ明らかではない。誰が誰をなぜ殺したのか?検察が立件、起訴した600人以上の被告、約90人の日本人被害者のプロフィールを分析するなどして、民衆犯罪の全貌に迫る。事件から100年、地域に根差した庶民が起こした史上最大最悪の惨事=ヘイトクライムを捉えなおす。
第1部 関東大震災下の国家と民衆(軍・官・民一体のエスノサイド
自警団、その組織と活動実践
エスノサイドの背景)
第2部 刑事事件化した民衆犯罪の動向(朝鮮人襲撃事件にみる自警団の情動
日本人襲撃事件の実態と被害者像
自警団員裁判の実態と加害者像の再検証)
第3部 沖縄出身者と自警団(沖縄出身者襲撃伝承とその特徴
関東大震災、ふたつの体験記
沖縄出身製紙労働者の震災経験
沖縄における伝承の形成と定着)
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