内田百(けん)集成 9ノラや ─ノラや
百{@EBD5}宅に入りこみ、不意に戻らなくなった愛猫ノラの行方を嘆じ続ける表題作を始めとして、猫の話ばかりを集めた二十二篇。
【解説: 稲葉真弓 】
『猫は煙を気にする様である。消えて行く煙の行方をノラは一心に見つめている。…「こら、ノラ、猫の癖して何を思索するか」「ニャア」と返事をしてこっちを向いた。ノラはこの頃返事をする。』(「ノラや」より)。百間宅に入りこみ、ふいに戻らなくなったノラ。愛猫の行方を案じ嘆き続ける「ノラや」を始めとして、猫の話ばかりを集めた二十二篇。
猫
梅雨韻
白猫
鵯
立春
竿の音
彼ハ猫デアル
ノラや
ノラやノラや
ノラに降る村しぐれ〔ほか〕
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