湯ぶねに落ちた猫

吉行 理恵 著 , 小島 千加子 編集

「猫が周囲を気にせず自然にしているのが好き」という吉行さんはすごく気になる女の人だ。(浅生ハルミン)

「猫を看取ってやれて良かった」愛する猫たちを題材にした随筆、小説、詩で編む、猫と詩人の優しい空間。文庫オリジナル。
【解説: 浅生ハルミン 】

湯ぶねに落ちた猫
  • シリーズ:ちくま文庫
  • 968円(税込)
  • Cコード:0195
  • 整理番号:よ-22-1
  • 刊行日: 2008/06/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:368
  • ISBN:978-4-480-42454-9
  • JANコード:9784480424549
吉行 理恵
吉行 理恵

ヨシユキ リエ

(1939-2006)詩人、小説家。父は吉行エイスケ、母は吉行あぐり。ナイーブで平明な詩風が注目され、67年、詩集『夢のなかで』で田村俊子賞を受賞。のち小説に転じ、81年、『小さな貴婦人』で芥川賞受賞。吉行淳之介と兄妹で芥川賞受賞と話題を呼んだ。著書に『猫の見る夢』『男嫌い』『迷路の双子』『黄色い猫』『雲のいる空』などがある。

小島 千加子
小島 千加子

コジマ チカコ

東京生まれ。日本女子大学国文科卒業。著書に『作家の風景』『三島由紀夫と檀一雄』、編者として『マリアの空想旅行』(森茉莉著)などがある。

この本の内容

雲、蜻蛉、猫の名前である。「蜻蛉はすこし離れた場所に座り、邪気のない目でそっと見ていた。薄い緑に茶の線が交差した蜻蛉の翅のような目差しだった。彼女は部屋の中の一番静かな場所で息を引き取った。干潮の刻だった」と微妙な独特の距離感で猫を映し出す理恵。愛する猫たちを題材にした小説、随筆、詩を中心に編む、猫と詩人の優しい空間。

この本の目次

流れ星
随筆(猫・ねこ・ネコ
記憶の小道
旅・読書・詩人たち
家族と私のこと)
小説(小さな貴婦人
黄色い猫)
河野多恵子さんへの便り

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