江戸の風評被害
「うわさ」でお金が動いた!江戸時代の人びとを翻弄した風説・浮説・虚説の実態とは
市場経済が発達した江戸期、損得に関わる風説やうわさは瞬く間に広がって人々の行動に影響を与え、政治経済を動かした。群集心理から江戸の社会システムを読む。
資本主義的な市場経済が発達していた江戸期は、「生き馬の目を抜く」社会であった。相場や貨幣改鋳、自然災害、役人の人事動向など、損得に関わる情報は瞬く間に拡がった。なかには虚説や、故意に脚色された風説やうわさもあった。こうした「風評」は、人びとの行動を左右し、政治経済をも動かした。触書などの史料をもとに風評被害の実態とその背景を読み解き、群集心理から江戸の社会システムに迫る歴史読物。
第1章 蕎麦を食べると当たって死ぬ―食品をめぐる風評被害
第2章 水道に毒が入れられた!
第3章 大地震と風評―社会不安を煽る虚説
第4章 貨幣改鋳と浮説・虚説―お金をめぐる風評被害
第5章 改鋳浮説の予防と金銀通貨統合をめぐる浮説
第6章 米相場と浮説―米価・貸借・棄捐令をめぐる風評被害
第7章 神社仏閣と「風評利益」
第8章 開帳とビジネス
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