甘い蜜の部屋

森 茉莉

天使の美貌、無意識の媚態。薔薇の蜜で男たちを溺れ死なせていく少女モイラと父親の濃密な愛の部屋。稀有なロマネスク。
【解説: 矢川澄子 】

甘い蜜の部屋
  • シリーズ:ちくま文庫
  • 1,320円(税込)
  • Cコード:0193
  • 整理番号:も-9-4
  • 刊行日: 1996/12/05
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:560
  • ISBN:4-480-03203-7
  • JANコード:9784480032034
森 茉莉
森 茉莉

モリ マリ

1903─87年、東京生まれ。森?外の長女。1957年、父を憧憬する娘の感情を繊細な文体で描いた随筆集『父の帽子』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、50歳を過ぎて作家としてスタートした。著書に『恋人たちの森』(田村俊子賞)、『甘い蜜の部屋』(泉鏡花賞)、『贅沢貧乏』、『私の美の世界』、『森茉莉全集』全8巻など。

この本の内容

少女モイラは美しい悪魔だ。生まれ持った天使の美貌、無意識の媚態、皮膚から放つ香気。薔薇の蜜で男達を次々と溺れ死なせながら、彼女自身は無垢な子供であり続ける。この恐るべき可憐なけものが棲むのは、父親と二人の濃密な愛の部屋だ―。大正時代を背景に、宝石のような言葉で紡がれたロマネスク。

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