新編 現代の君主
獄中の思索を読む
労働運動を組織しイタリア共産党を指導したグラムシ。獄中で綴られたそのテキストから、いま読み直されるべき重要な29編を選りすぐり注解する。
現代の君主は、個人ではありえない、それはひとつの集合的意志である―。イタリア共産党の指導者グラムシは、十数年にわたる獄男生活において、ヨーロッパの革命が挫折した原因を内省しつつ執筆活動をつづけた。その『獄中ノート』から、、主として政治と近代国家の問題をあつかった最重要テクストを精選するとともに、その思想背景を知るための明快な訳注を付したものが本書である。組織された生産者社会において、人間が主体性を取り戻すことを展望する。いま読みなおすグラムシ思想の真髄。
人間とはなにか
構造と上部構造―その歴史的ブロック
哲学・宗教・常識・政治
マキャヴェッリと現代の君主
自立した科学としての政治学
歴史的存在としてのマキャヴェッリ
マキャヴェッリとグィッチャルディーニ
マキャヴェッリ的政治教育の革命性
情勢または力関係の分析
「経済主義」の問題〔ほか〕
2008.8.14 三郎
グラムシは難解だ。わたしは、グラムシの本に何度も挑戦したが、どれもこれもさっぱりわからなかった。
初めて最後まで読めたのが『グラムシ・コレクション』であった。そして古本屋で見つけた絶版本の上村忠男編訳の『新編現代の君主』によってはじめて、グラムシの思想が分かりかけた。今回、『新編現代の君主』がちくま学芸文庫から出ることを知り、喜びに耐えない。あらためてこの文庫版でも読むつもりだ。そして、いろんな人にこの本を薦めたいと思う。
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