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ちくま新書

日本群島文明史

画期的な知的世界全図

日本の基層にある群島文明。これこそが世界の諸文明における日本の独自性を生み出してきた。思想、宗教、文学など諸領域を博捜して描き出す斬新な日本文明全史。

定価

1,540

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07695-3

Cコード

0210

整理番号

1864

2025/06/09

判型

新書判

ページ数

512

解説

内容紹介

「文明」概念で
この国を総合的に理解する
画期的な知的世界全図

日本は群島であり、日本文明は群島文明である。大陸文明的な実体系思考よりも群島文明的な非実体系思考が優勢で、そうした世界観から生命は偶発的なものという感覚や共同主観の構造、革新性をもたらす美意識などが展開され、日本文明が創り出されてきたのだ。そうした日本の歴史的動態を描きつつ、日本の群島文明を形成する東アジアの哲学を「通底哲学」として世界哲学の中に置き直し、より深い文明論として展開する。日本の知の歴史を総合的に理解する、著者独自の日本思想大全。

目次

序 章 文明とはなにか
1 道具箱――準備作業のために
2 文明と未開の関係性
3 三つの存在様態

第一章 日本は群島である
1 群島としての日本
2 群島には文明はない
3 群島にも文明があるのか
4 東西のつながり
5 南北のつながり

第二章 日本群島史の時代区分
1 日本群島史の時代区分論
2 土着閉鎖系文明I期――縄文時代(紀元前14000年~紀元前8世紀ころ)
3 大陸開放系文明I期――弥生時代(紀元前8世紀~3世紀ころ)
4 土着閉鎖系・大陸開放系文明混合期――ヤマト政権、古墳時代(3~6世紀後半ころ)
5 大陸開放系文明II期――飛鳥、奈良、平安時代初期(600~900ころ)
6 土着閉鎖系文明II期――平安、鎌倉時代(900~1300ころ)
7 大陸開放系文明III期――室町、安土桃山、江戸時代初期(1300~1650ころ)
8 土着閉鎖系文明III期――寛永以降の江戸時代(1650~1860ころ)
9 大陸開放系文明IV期――明治、大正、昭和、平成、令和時代(1860~2020ころ)

第三章 日本群島と文明のあいだ
1 日本群島には《一》がなかった
2 日本群島には《人間》がいなかった
3 日本群島には要素還元主義がなかった
4 日本群島には善悪がなかった
5 日本群島には歴史がなかった
6 日本群島ではなぜ文学が盛んだったのか

第四章 日本群島の生命と人間
1 アニマシズムという群島的生命感覚
2 非実体系の存在様態
3 非実体系の「かみ」
4 「ことだま」と「ことのは」の対立
5 死のアニマシー

第五章 性のアニマシー
1 《文明》と性
2 なぜ日本群島では〈女系いのち〉が生き残ったのか
3 最初に自我を獲得したのは女性だった
4 〈女系いのち〉の日本群島文明
5 CGPという文明運動
6 女の衰退、〈女系いのち〉の生存戦略

第六章 美のアニマシー
1 反逆は美的生命から
2 「あはれ」「をかし」「あっぱれ」

終 章 トランス東アジア哲学のなかの日本群島
1 日本群島には哲学がなかった
2 通底哲学・非通底哲学とはなにか
3 トランス東アジアの儒学史
4 日本儒学の非通底性と東アジア
5 トランス東アジアのなかの日本仏教

日本群島文明史を思索するための入門的ブックガイド
あとがき

著作者プロフィール

小倉紀蔵

( おぐら・きぞう )

小倉 紀蔵(おぐら・きぞう):1959年生まれ。京都大学名誉教授。専門は東アジア哲学、比較文明学。東京大学文学部ドイツ文学科卒業、韓国ソウル大学校哲学科大学院東洋哲学専攻博士課程単位取得退学。著書に『入門 朱子学と陽明学』『新しい論語』『朝鮮思想全史』『京都思想逍遥』(以上、ちくま新書)、『弱いニーチェ』(筑摩選書)、『比較文明学の50人』(編著、筑摩選書)など。

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