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第431号2007年2月目次

表紙裏
[NARA NOTE +1]14・無題|奈良美智

巻頭随筆
[人間、とりあえず主義]101・がっかりしている暇はない

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今月の立ち読みちくま

吉村さん、私はこう読みました。  内藤初穂

 ちょっとしたきっかけで物書きに転じて以来、その道の大先輩として吉村昭は私を暖かく見守ってくれた。この遺作エッセイ集『回り灯籠』のどこかにも書かれているように「年長の友人」として遇してもくれた。年賀の挨拶に「年ごとに友情が深くなってゆく感じ。いい気分です。見捨てないで下さい」と記されてきたこともあった。
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突入します  川上弘美

 本を読むときのTPOを、けっこう、気にする。  
それはたとえば、結婚式に列席している最中にこっそり『カラマーゾフの兄弟』を読んではいけない、だの、夫の実家に行ったときにみんながうち揃った夕餉の食卓において食前の祈りを唱えようとしている義父のすぐ脇で『卍』を読むのはまずい[全文を見る]

「小裂帖」によせて  山本淺子

「小裂帖」と題されたこれは、裁(た)ちのこされた端切れに、さまざまな植物からひきだされた色彩をくわえ、文章をそえたものである。
 志村さんの全容とはいえないまでも、その仕事の内容をみわたせるものであり、また同時に、一種の縞帳としての役割も十分に果たせるものである。[全文を見る]

もっとやせる旅  都築響一

 世の中は「持てるもの」と「持たざるもの」に長く二分されてきた。金持ちか貧乏かが、人間の価値をきっちり二色に染め分けてきたのである。
 しかしとりあえず先進国と呼ばれる世界では、国民のほとんどが「金持ちでも貧乏でもない中流」になった現在。[全文を見る]

さぁ走れ!  夏石鈴子

 絹の腰ひもは、するりと解ける。栗林佐知さんのお書きになった「ぴんはらり」は、面白くて面白くて、するりと読み終えてしまった。どこもひっかからず、どうなるの、この先、どうなるの、とどんどん先が気になって、ぐんぐん読んでしまった。読み終ったら、すぐにまた最初から読み直したくなった。[全文を見る]

日本の文様とともに  樹下龍児

 日本の伝統的な美術工芸に見る意匠は、古代より近世に至るまで、中国の豊饒な造形思想からさまざまな影響を積極的に受けている。また近代以降には、欧米の思考と新鮮な美術様式を、絵画と図案教育の方法論としていち早く摂取することに熱心であった。[全文を見る]

美と技の教え  矢田部英正

 冬場になって原稿を思案する日々が増えるなか、キモノのありがたさについて思いを新たにしている。床板の隙き間から縁の下の風が洩れてくる我が家の冬は厳しく、窓の外に伸びた長い軒先が陽射しを遮るので、晴れた日の午前中などは外気よりも家の中の方が寒かったりすることがある。[全文を見る]

英語学習の不思議  鳥飼玖美子

 日本の英語学習というのは、つくづく摩訶不思議なものだと思う。単なる一外国語であり、一教科であるに過ぎないのに、日本人は英語ができないと誰もが異口同音に嘆き、何とかしなければならないと国をあげて騒いでいる。それでいて、海外の出版物は直ちに和訳され、映画は日本語字幕、テレビで流れるニュースやドラマの音声は日本語に吹き替えられる。[全文を見る]

文人画として愉しむチャペック  福田里香

 カレル・チャペックが描く絵が好きだ。私は昔からなぜか、この手の文人画が大好きなのだ。
 というと語弊があるかもしれない。私の場合、どう呼んでいいかわからないから、勝手に自分だけの呼称として「文人画」と言っているだけのことだから。。[全文を見る]

【追悼・実相寺昭雄】実相寺監督の映像宇宙  池田憲章

実相寺昭雄監督と初めて会った日のことは昨日のことのように憶えている。
 1979年初夏、私が大学を卒業してすぐの頃、実相寺監督が「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」に続けて円谷プロで演出した特撮テレビ・シリーズ「怪奇大作戦」についての取材(放送して10年がたっていた)で、仕事場であるコダイの事務所を訪ねたのだ。[全文を見る]

連載
[連作 少年]7・虹の門|谷川俊太郎
[小津ごのみ]21・きわどい綱渡り|中野翠
[古本屋は女に向いた職業|女性古書店主列伝]5・旅猫雑貨店 金子佳代子さん|岡崎武志
[絶叫委員会]11・天使の呟き・その2|穂村弘
[往時茫々老人多難日暮日記]6・実相寺昭雄の幻影|石堂淑朗
[音楽が聞える]22・割れた地球に腰掛けて|高橋英夫
[明日への回想]7・うひ物まなび|菅野昭正
[思考の補助線]21・「収束性」の罠|茂木健一郎
[ネにもつタイプ]60・おめでとう、元気で|岸本佐知子
[八幡の湯]2|山本一力
[おはよう、水晶——おやすみ、水晶]9・シンギング・レーザー|笙野頼子
[真剣外伝]10・荒法(第十回)|海道龍一朗
[いつか晴れた日に]18・最終回|長野まゆみ

コラム
[飛田新地と私]1|井上理津子
読者のひろば
編集室から

表紙作品 奈良美智「『寒い夜』2001年」
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美

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2007

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