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第428号 2006年11月 目次

表紙裏
[NARA NOTE +1]11・お月さま|奈良美智

巻頭随筆
[人間、とりあえず主義]98・美しい日本|なだいなだ

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今月の立ち読みちくま

渾身の人  三木 卓

阿部謹也さんが、突然亡くなられた。突然というのは、ぼくがぼんやりしていたからで、阿部さんはもう十年も前から体の具合がわるかったのである。阿部さんは、一級の身体障害者になった、とご自分のことを書かれていたのだが、それが抽象的で簡潔だったので読んでいながらそれを心にとどめることができなかった。[全文を見る]

お世継ぎと民衆  鈴木理生

○きっかけは光悦の書
 本阿弥光悦とその家系の構成に興味を持ち始めたのは、約二十年前の昭和天皇在位六十年記念「日本美術名宝展」であり、そこで光悦と俵屋宗達の合作「鶴下絵和歌巻(つるしたえわかかん)」を見たことに始まる。[全文を見る]

漱石がとり憑かれた「二十八」  熊倉千之

〈車のトランクにピンポン球がいくつ入るか〉――その数からトランクの容量を割り出して、この車にはこんなに荷物が積める、と宣伝しているのを見たことがあります。十六世紀はヨーロッパの「大航海時代」、イギリスの一貴族が、船倉に最も効率よく丸い砲弾を積む方法をある数学者に相談したことから、この問題がいわゆる[全文を見る]

岡尾さんとの旅の話  保里享子

いつからか好きで集めた雑誌の切り抜きを見返してみると、そのページのほとんどが岡尾さんのスタイリングしたページだったことに気がつきました。それが岡尾さんの名前を知るきっかけになり、その後雑貨店で働きはじめてからときどき岡尾さんご本人にお会いしてお話しするようになりました。[全文を見る]

速読は、効果的な脳の活用法  池谷裕二

記憶は情報の痕跡です。つまり、読書とは脳回路に痕跡を残す内発的な行動であるといえます。齋藤孝先生は、脳内痕跡の“効果的”な作り方を、やさしい言葉で説明しています。記憶の本質とは何でしょうか。これは重要な問いです。記憶と呼ばれるものの内部構造を丁寧に解析してみると[全文を見る]

飛びかかること、繋ぐこと、ふり返ること  小林エリカ

私は今、フランス、マリー・スル・セーヌという、モネの絵のように美しいセーヌ川のほとりにある、小さな村に滞在している。そこのリビングで、私は今、レバノン空爆にまつわるニュースを見ながら、ゴキブリについて考えている。[全文を見る]

交響曲だって夢(悪夢?)を見る  吉松 隆

音楽家というのは、口を開くと「音楽というのは本当に素晴らしいものです!」と言う。(私もそう思う)
でも、「じゃあ、お子さんにも音楽家になって欲しいと思いますか?」と聞くと、必ずと言っていいほど、こういう答えが返ってくる。「とんでもない!」(ちなみに私も、子供はいないけれどそう思う)  [全文を見る]

筒井清忠という現在  篠田正浩

 いきなり丸山真男の批判から本書は始まる。一九四六年という生々しい戦後の真っ只中で書き進められた丸山真男の日本ファシズム批判の諸論文に戦後生まれの著者が反論する姿勢は、まるでバレーの時間差攻撃のようなスリルに満ち溢れている。  私自身の歴史認識もまた、時の流れとともに揺れてきた。[全文を見る]

すばらしき淫心  小池昌代

 官能小説に現れた表現を、「女性器」「男性器」「声」などの数項目にわけ、言葉ごとに数行の引用文を掲げ、紹介したのが本書である。官能小説を、読みたい、書きたいという読者に、言葉からのアプローチをまっとうにうながす。たとえば「男性器」の「ペニス」の項目をみてみよう。[全文を見る]

新連載
[往時茫々老人多難日暮日記]1・イマヘイの律儀|石堂淑朗


連載
[連作 少年]4・母に会う|谷川俊太郎
[古本屋は女に向いた職業 ー 女性古書店主列伝]2・八重洲古書館 渡辺明子さん|岡崎武志
[小津ごのみ]18・有閑マダムたち|中野翠
[音楽が聞える]19・夢の魚を釣る|高橋英夫
[思考の補助線]18・無限と空白|茂木健一郎
[絶叫委員会]8・恋人達の言葉|穂村弘
[明日への回想]4・不安について(II)|菅野昭正
[住時茫々老人多難日暮日記]3・創造者と裏山桐郎|石堂淑朗
[ネにもつタイプ]57・Mさんち|岸本佐知子
[いつか晴れた日に]15|長野まゆみ
[真剣外伝]7・荒法(第七回)|海道龍一朗
[ドン・キホーテの末裔]23|清水義範
[おはよう、水晶 ─ おやすみ、水晶]6・ヴァーチャル・ドクター|笙野頼子


コラム
[紙の上の授業]1|大倉将人
読者のひろば
編集室から


表紙絵 奈良美智 「『Voyage of the Moon』のための 1/10模型 2006年」 写真 熊谷順
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美

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2007

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