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第430号2007年1月目次

表紙裏
[NARA NOTE +1]13・冬の窓辺から眺める|奈良美智

巻頭随筆
[人間、とりあえず主義]100・LDP(自民党)とCIA|なだいなだ

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今月の立ち読みちくま

益田勝実氏の学問  鈴木日出男

『益田勝実の仕事』全5巻(ちくま学芸文庫)に結実されている数々の論考の最大の魅力は、氏の専攻する日本古代文学の研究はもちろん、国語教育の研究の領域においても、一貫して、人間とはいかに人間的な存在であるかを、根源的に問いかけつづけている点にある。さらにいえば、人間は誰しも言葉を操ってその生活を営んできているが、その言葉との緊張的なありように、人間性の重々しさを見出そうとしてきたのである。[全文を見る]

落語で江戸の何を見るか  京須偕充

「とっておきの東京ことば」(文春新書)は去年初夏の作で、私の少年時代まで、とは戦後十数年の頃までなのだが、東京・神田あたりにまだ生き残っていた明治育ちの人たちが日常に使い、いまでは耳遠くなった「ことば」数十をあげて、江戸っ子、旧東京人の気性や暮らしぶりを綴ったものだった。[全文を見る]

『BA−BAH その他』について  橋本 治

『BA−BAH その他』は、この『ちくま』に連載した小説を単行本化したものです。『BA−BAH』というのは、十年ほど前に書いてそのままにしていた私の短篇小説です。
「『ちくま』で一年間小説の連載をしないか」と言われた時に、「『BA−BAH』と併せて単行本にしてもいいか? その単行本のタイトルは『BA−BAHその他』でいいか?」と言って、「いいですよ」という答を得ていたので、『ちくま』の連載が始まる前にすべては決まっていたのでした。[全文を見る]

本当に大切なものを守るために  藤田香織

「こんなはずじゃなかった」と、心の中で呟いたことは一度や二度、誰にでもあるのではないだろうか。
 理想の生活、理想の恋人、理想の就職、理想の家族。自分が思い描いたとおりに生きることができたなら、それはとても幸せだけれど、世の中そう上手く行くとは限らない。努力だけでは超えられない壁もあるし、何よりその努力目標を見誤ることだって少なくない。[全文を見る]

食事のことは、この一冊を読めばいい!  上野圭一

 ホントのところ、ふだん何を食っていればいいのか。何を食っちゃいけないのか。溢れ返る情報に包囲されて選択に迷わされる分野はいろいろあるが、生命の土台である「食」はそんな多岐亡羊領域の筆頭に位置するといっていい。
 ところがありがたいことに、混迷を深める一方のようにみえていた食の分野に、待望の「この一冊を読めばいい!」といえる本が生まれた。『幕内秀夫の がんを防ぐ基本食』がそれである。[全文を見る]

君は芸術を知っているか  布施英利

 いまパリで、この原稿を書いている。とはいえ「いまパリで」などといって気取っているわけではない。ようするに締切りに間に合わず、海外にまで仕事を持ち込んでキーボードを打っているのだ。
 今日まで、スペインからフランスへと旅してきた。アルタミラ、ラスコーや、その近くのいくつかの洞窟壁画を見た。主要都市の間は列車で移動し、レンタカーで千キロほど走った。旅はスペインのバルセロナから始まり、日本への便に乗るため、いまパリにいる。[全文を見る]

昭和33年と美しい国  布施克彦

 今月、ちくま新書として出版された拙著『昭和33年』では、日本人が過去を美化し過ぎる「昔はよかった症候群」であると同時に、現在を否定的に捉えながら必要以上に未来を憂える「未来心配性」であることを書いた。日本人が持つそういった心性を、わたしは必ずしも否定するつもりはない。直せといって、直せるものでもない。
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生きてきた時間 ──高井有─『夢か現か』  岡松和夫

 二〇〇六年七月まで「ちくま」に三十六回にわたって連載されたエッセイがほとんどで、それに吉村昭氏追悼の文章が加わっている。  私は毎月「ちくま」を開くたびに、初めのうちは驚いていた。毎回話題は違うのに、文章の後半になると、アメリカのイラク侵攻に度たび筆が及んだ。そういうことが続いた後、ようやく著者が戦争のことを意識して書こうとしているのに私は気づいた。[全文を見る]

【追悼・永沢光雄】フィクションとノンフィクションの彼方へ  本橋信宏

 高田馬場四丁目の居酒屋で、ひとりはしゃぐ男がいた。
 知り合いの編集者でもなければ、ライターでもない。けれど、昔、何度か見た覚えがある。
「うちの会社辞めて、ライターになった、永沢光雄ってやつだよ」
 白夜書房から出ている「ビデオ・ザ・ワールド」(現在はコアマガジンより)の中沢慎一編集長が私に教えてくれた。[全文を見る]

連載
[連作 少年]6・ヒトなんだ|谷川俊太郎
[思考の補助線]20・総合的知性と鋭利な達成|茂木健一郎
[明日への回想]6・恩師を想う|菅野昭正
[絶叫委員会]10・天使の呟き|穂村弘
[音楽が聞こえる]21・流れ出す時間|高橋英夫
[古本屋は女に向いた職業—女性古書店店主列伝]4・火星の庭 前野久美子さん|岡崎武志
[往時茫々老人多難日暮日記]5・浦山桐郎との永訣|石堂淑朗
[小津ごのみ]20・いわゆる「原節子風」|中野翠
[ネにもつタイプ]59・キラキラ|岸本佐知子
[おはよう、水晶——おやすみ、水晶]8・日記の露、削除の虹|笙野頼子
[いつか晴れた日に]17|長野まゆみ
[真剣外伝]9・荒法(第八回)|海道龍一朗

コラム
[紙の上の授業]3|大倉将人

読者のひろば
編集室から

表紙作品 奈良美智
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美

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