『ブランケット・キャッツ』と「特集・『日本のおかず』&『おつまみ横丁』」


 <総合ランキング>  (5/11~5/17 有隣堂全店調べ)
 1位 Jamais Jamis『B型自分の説明書』(文芸社)
 2位 水野敬也『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社)
 3位 Jamais Jamis『A型自分の説明書』(文芸社)
 4位 西尾維新『傷物語』(講談社)
 5位 編集工房桃庵編『おつまみ横丁 すぐにおいしい酒の肴185』(池田書店)
 6位 茂木健一郎『脳を活かす勉強法』(PHP研究所)
 7位 岩本薫『YEBISUセレブリティーズ6』(リブレ出版)
 8位 勝間和代『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践編』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
 9位 奥野宜之『情報は1冊のノートにまとめなさい』(ナナコーポレートコミュニケーション)
10位 福田健『女性は「話し方」で9割変わる』(経済界)


<特集・『日本のおかず』&『おつまみ横丁』>
◎西健一郎『日本のおかず』(幻冬舎)



各界有名人が愛してやまない、当代最高の割烹「京味」の主人による、待望の「家庭料理」のバイブル。牛肉ごぼう、ぶり大根、にしん茄子、豆あじの南蛮漬け、たらちり鍋、親子丼……なによりのごちそうは、旬の素材をいかした「おかず」です。10年経っても、20年経っても古くならない「家庭料理」の教科書として後世に残したい1冊です。「京味」の常連である阿川佐和子さんにインタビューしました。


◎編集工房桃庵編『おつまみ横丁 すぐにおいしい酒の肴185』(池田書店)



横丁酒場で味わえるような、素朴で飽きない、うまい定番おつまみを185品取り揃えました。少ない素材で、3ステップという少ない行程で、呑みながらでも作れる、簡単なおつまみを厳選。今日の一杯、明日の一杯を楽しくするだけではなく、ずーっと使い続けてもらいたい酒の肴集。編集者と料理研究家の瀬尾幸子さんにインタビューし、本の中から1品つくってもらいました。


<今週の松田チョイス>
◎重松清『ブランケット・キャッツ』(朝日新聞出版)



松田 いつも、ぼくたちを感動させてくれる重松清さんの連作小説『ブランケット・キャッツ』です。
N ブランケット・キャッツ、それは、馴染んだ毛布とともに二泊三日でレンタルされる猫たちのこと。「わたしね……泥棒しちゃった……」。猫を借りる人びとには、それぞれ深い事情があった。定年間際に横領してしまった女性、子どもに恵まれない夫婦、リストラされて家を売る一家。今を生きる人々の孤独と幸せを見つめる、感動の連作短編。>
松田 「借りてきた猫」という言葉がありますが、これは文字通り、レンタルされた猫を借りた家族の話なんですね。猫は別に話すわけではないですし、クールなものですから、特別なことをするわけじゃないんです。ただ、猫がひとときある家族にいることで、その家族のゆがみとか問題とか、そこにいる人々の孤独みたいなものがあぶりだされていくんです。いろんなドラマが、そこに生じる。本当にうまいつくりになっているなあって思うんですけども。ぼく自身は、いかにも重松さんらしいなあと思う、リストラされた一家の主が思い出を作ろうとして猫を借りてくるんだけど、家族はそれどころじゃない。「お父さん、なに舞い上がってんのよ」みたいにどんどんバラバラになっていく。だけど、あることをきっかけにして家族がまたきゅっと繋がっていくという。最後はホロリと感動させられる素敵な物語集でしたね。
優香 私も読みまして、本当に重松さんて、なんでこんなすごいんだろうというか、短編で短いんですけども、ギュギュッと詰まっていて。こんなにも違うお話をたくさん書けるって、やっぱすばらしいなあって思いました。それと、私は、この中で唯一、猫目線のお話があって、子どもたち二人が出てくる……。
松田 家出するんですよね。
優香 はい。「旅に出たブランケット・キャット」というんですけども。小さい頃って、動物に守られたいっていう願望ってなかったですか? 空想で妄想でそういうことを考えていたんですけども、まさにそういう感じで、猫が助けてくれたり、守ってくれたり、それがまた、ホンワカ、ジーンとして、とても温かいお話で、本当に気持ちいいですよね。
松田 そうですよね。気ままに生きているような猫なんだけど、それが逆に癒しになるという、すごくいいお話ですよね。
優香 猫の気持ち、よく分かっているな重松さんという感じですね。