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第426号 2006年9月 目次

表紙裏
[NARA NOTE +1]9・サヨン|奈良美智

巻頭随筆
[人間、とりあえず主義]96・報じられなかったニュース|なだいなだ

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今月の立ち読みちくま

『戦後の終わり』を終えて  金子 勝

ベトナム戦争時代の反戦歌に、ボブ・ディランの『時代は変わる』という歌がある。この歌の歌詞に、「今や、のろまだった者がやがて速い者になる。現在はやがて過去になる。そして秩序が急速にはっきりしなくなる。先頭に立つ者がやがて最後尾になる」というくだりがある。私の最も好きな部分だが、時代の転換期には、いつでもそういうことが起きる。[全文を見る]

くいしんぼうのおいしいごはん  高橋みどり

三〇歳になる前に、自分のすすむ道を探すこと……これが、かつてお世話になった事務所での卒業を意味する課題だった。生意気にもフリーランスで何かを始めたいという気持ちだけはもっていたのに、いざ何かを始めようとなると、自分の持っている才能なんて何もないことに気づいた。[全文を見る]

もっと理屈を言え!  中島隆信

「つべこべ理屈を言うな!」と怒られた経験をお持ちの方は多いだろう。英語ではセオリーと訳されるこの「理屈」という言葉は、全般的にあまりいい意味では使われない。「理屈っぽい」「理屈をこねる」「屁理屈」など、何かストレートでないひねくれた印象を与える表現が多いようだ。[全文を見る]

江戸開発と木曽ヒノキ  立松和平

平城京を開発する際、琵琶湖周辺の森が乱伐されて荒廃し、地すべりなどが起こったということは歴史的な出来事である。どんな文化や文明でも、森林が支えていたのだ。森林が衰えれば、文明も衰退する[全文を見る]

「算法少女」この不思議の書をめぐって  遠藤寛子

私の少年少女向け歴史小説『算法少女』がその物語の含む和算の世界への手引書的な性格を認められ、出版後三十年を経て「ちくま学芸文庫」に加えていただくことになった。まことに不思議ななりゆきにただ驚いている。[全文を見る]

勤労と責任を重んじ—大村はまを読む  上野健爾

戦後日本の教育は、個人の権利のみを主張する利己的な人間を作ってきたとよく言われるが、時の文部大臣田中耕太郎の多大な努力によって制定された教育基本法には「勤労と責任を重んじ」る人材を育成することが教育の目的として、第一条に高らかに謳われている。しかし残念ながら、この理想は多くの人々に無視されてきた。[全文を見る]

人はどこまで自由でいられるか —『マイケル・K』文庫化に寄せて  藤原章生

J・M・クッツェー氏の小説『マイケル・K』の主人公、Kは、その風貌から、大方の人々に目をそむけられ、無視される。寡黙な彼は、宮沢賢治の「虔【けん】十【じゆう】公園林」に出てくる虔十のような、「でくのぼう」といった存在だ。[全文を見る]

新連載
[往時茫々老人多難日暮日記]1・イマヘイの律儀|石堂淑朗


連載
[連作 少年]2・いのちの草むら|谷川俊太郎
[小津ごのみ]16・消えた男 ─ 喜八(その2)|中野翠
[明日への回想]2・一九三〇年私考(II)|菅野昭正
[絶叫委員会]6・パニック発言・その2|穂村弘
[思考の補助線]16・何よりも人格において|茂木健一郎
[音楽が聞える]17・分教場のバッハ|高橋英夫
[ネにもつタイプ]55・アイ・スパイ|岸本佐知子
[ドン・キホーテの末裔]21|清水義範
[いつか晴れた日に]13|長野まゆみ
[真剣外伝]5・荒法(第五回)|海道龍一朗
[おはよう、水晶 ─ おやすみ、水晶]4・夏王子の翼|笙野頼子
[謎の短篇小説集]12・最終回・バベルの塔|橋本治


コラム
[酒井七馬の謎]2|中野晴行
読者のひろば
編集室から


表紙絵 奈良美智 サヨン[莎詠]2006年 協力 小山登美夫ギャラリー
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美

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