月刊ちくまのご案内です。一部の内容はホームページ上でお読みいただく事ができます。

第433号2007年4月目次

表紙裏
[NARA NOTE +1]16|奈良美智

巻頭随筆
[人間、とりあえず主義]103・おーい石原君|なだいなだ

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今月の立ち読みちくま

『考える人生相談』の面白いワケ  南伸坊

 本書は「考える人生相談」というタイトルがついていて、そうついてるならつまり、この本は「人生相談」の本ということになるけれども、よくある「人生相談」とこの本は違っている。
 この本のもとになったのは「ウェブちくま」の「21世紀を生きるために必要な考え方」っていう問答で、そのさらにキッカケになったのは『spore』っていうリトル・マガジンの編集部から、加藤典洋さんに出された質問に、ひとつひとつ答えていったもの、なんだそうです。[全文を見る]

お城にゾウはよく似合う  木下直之

梅子
 お城にゾウはよく似合う。
 ここでよくぞ止めることができた、と我ながら感心している。伊達に歳は重ねていない。だって、昔だったら間違いなく、お城にゾウはよく似合うぞう、と書いたに違いないからだ。 [全文を見る]

優劣のかなたに——大村はまの「本懐」  苅谷夏子

 大村はまは、明治三十九年、横浜に生まれ、草創期の東京女子大に学び、その後の五十二年間を、公立学校の現場の、一介の国語教師として過ごした。 退職後も、おそらく死の前日まで、ひょっとすると死に直面する瞬間まで、一国語教師だった。今から二年前の四月、九十八歳で死去。最期の枕元に「優劣のかなたに」という詩を残した。[全文を見る]

森永流「幸せに生きるヒント」  北原照久

 森永さんとは、平成八年十月に始まり、僕がはじめてメインキャスターを務めた、「HAMA大国ナイト」(テレビ神奈川)という番組に、三年間一緒に出演していました。この番組は、毎週金曜日夜八時から二時間の生放送で、ニュースのコーナーや食のコーナー、横浜ベイスターズのコーナー、もちろん僕のコレクションを紹介するコーナーなど盛り沢山の情報番組でした。[全文を見る]

社会に出るひと、必読の本  森まゆみ

 大学で三年間教えた。いまは三年の後半から就職活動が始まる。各社の給料を比べ、有名大企業にエントリーし、ふるいにかけられると、だんだん目標は低まり、自信がなくなっていく。
 バカいうんじゃない、世界はもっと広いんだよ。就社するのでなく、自分の仕事を見つけなさい、と励ましてきたのだけれど。[全文を見る]

革命前の団結と革命後の分裂  坂野潤治

 小説家は多分、主人公たちの結末を知らずに筆を起こすのだろう。歴史学者も、ある程度までは同じである。ただ、小説の主人公たちと違って、歴史の主人公たちには、学者が勝手には変えられない「事実」の枠がある。明治元年(一八六八)の鳥羽・伏見の内戦で徳川慶喜に勝たすわけにはいかないし、明治一〇年(一八七七)の西南戦争で西郷隆盛を勝たせるわけにもいかない。[全文を見る]

『ベンヤミン・コレクション』、再び  浅井健二郎

 このたび、ちくま学芸文庫から、『ベンヤミン・コレクション4 批評の瞬間』を上梓した。 『ベンヤミン・コレクション』はちょうど十年前に全三巻(『1 近代の意味』、『2 エッセイの思想』、『3 記憶への旅』〔一九九五−九七年〕)をもって一旦完結し、その後さらに、同じく右学芸文庫から単発で、『ドイツ悲劇の根源(上・下)』(一九九九年)および『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』(二〇〇一年)を、それぞれ関連諸論考をも併録するかたちで刊行することができた。[全文を見る]

追悼・阿部良雄 阿部良雄の軌跡  清水 徹

 阿部良雄はフランス政府招聘留学生として高等師範学校(エコール・ノルマル・シユペリユール)の寮で三年暮らし、それから四年後にはパリのCNRS(国立科学研究センター)の二年間の研究員に選ばれ、さらに東洋語学校講師として二年パリ滞在を延長という長い研究生活を送ったのだが、その間一貫して《ボードレールと十九世紀フランス絵画》という研究課題を追究しつづけながら、そこから派生してきた文明論的なひろがりと歴史的な視野にわたるさまざまな問題意識との格闘をつづけた。彼が前後七年にわたるパリ滞在のあとに書いた『西欧との対話』という書簡体エッセーに、そういう格闘の露頭を端的に読むことができる。[全文を見る]

〈人間らしくやりたいナ〉──『洋酒天国』を創刊した人びと小玉 武

 昭和三十六(一九六一)年、『洋酒天国』がピークを迎えようとしていたときに、開高健はそれまでの活動の到達点とも言えるような広告コピーを書いた。「人間らしくやりたいナ/トリスを飲んで/人間らしくやりたいナ/人間なんだからナ」である。新聞に掲載されたときには、括弧つきの「人間」と表現されていたが。[全文を見る]

新連載
[東京物体]1・ホームラン地蔵|大川渉
連載
[連作 少年]9・泣いているきみ|谷川俊太郎
[オタク文化の現在]2・「ゆるキャラ」から「限界キャラ」へ|伊藤剛
[小津ごのみ]23・腑に落ちないこと|中野翠
[思考の補助線]23・ひとつの生命哲学をこそ|茂木健一郎
[絶叫委員会]13・オノマトペたち|穂村弘
[往時茫々老人多難日暮日記]8・三島由紀夫の声|石堂淑朗
[明日への回想]9・騒がしき惑いの年々|菅野昭正
[古本屋は女に向いた職業 | 女性古書店主列伝]7 蟲文庫 田中美穂さん|岡崎武志
[音楽が聞える]24・最終回・たなびくものとなって|高橋英夫
[ネにもつタイプ]62・ダース考|岸本佐知子
[真剣外伝]12・群青(第二回)|海道龍一朗
[八幡の湯]4|山本一力
[おはよう、水晶——おやすみ、水晶]10・生命のない宇宙|笙野頼子

コラム
[飛田新地と私]3|井上理津子

表紙作品 奈良美智“No means No” 写真:永野雅子
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美

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