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第427号 2006年10月 目次

表紙裏
[NARA NOTE +1]10・灯台|奈良美智

巻頭随筆
[人間、とりあえず主義]97・「女・賢い」と「賢い・女」|なだいなだ

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今月の立ち読みちくま

東京の人  大村彦次郎

昭和二年、東京の日暮里に生まれた吉村昭さんは根っからの町ッ子であった。ちょっとした言葉の言い回しや気の遣いかたに、東京人特有の気質がうかがえた。東京の町なかを歩いていて、変貌する東京の町のありように半ば愛想を尽かしながらも、それでもやはり東京の町が好きな人だった。[全文を見る]

〈狐〉の書評のこと  竹村洋一

先日、家で酔っ払い、山村のご機嫌でもうかがおうかと携帯電話を手にした瞬間、ああ、もうアイツはいないんだと気づき、痛切な哀しみに襲われるとともに、周囲の風景がぼやけた。山村との付き合いはもっぱら当方が酔っぱらって電話する、という一方通行がほとんどだった。[全文を見る]

野猿来る  長塚京三

猿が来た。高尾や八王子のはなしではない。スイーツの町とか、プチ・セレブの散歩道などと喧伝されて(して、か)ヤニさがる、私鉄沿線のこの町にである。駅から目と鼻の先、商業エリアの中心からほど遠からぬところに居を構える知人が、深夜庭先で打ち騒ぐ物音に眼を覚まし[全文を見る]

あのころのこと  筒井ガンコ堂

「あれ」からすでに四半世紀が過ぎた。もはや「昔」という言葉を使ってもおかしくない。私は六十二歳になり、しかも田舎ぐらしにすっかり馴染み、思考も恐らく大分鈍くなっている。その割には、煩わしいといっては罰が当たるだろうが、義理がらみの用事が意外に多くて晴耕雨読といった生活には程遠く[全文を見る]

歴史を形にする建築家ダニエル・リベスキンド  鈴木圭介

ここに紹介する『ブレイキング・グラウンド――人生と建築の冒険』の著者にして、今やグラウンド・ゼロの跡地再開発のマスタープランを担当する建築家として一躍有名になったダニエル・リベスキンドは、名ピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインの故郷として知られるポーランドのウーチにユダヤ人として生まれた。[全文を見る]

働く母の意気込みが痛快  東 直子

この『夏の力道山』という力強い名前の小説は、『愛情日誌』(マガジンハウス)の続編にあたる。『愛情日誌』では、これまであまり語られることのなかった、結婚して幼い子どもを持つ夫婦の性生活について、ユーモアとあたたかみを交えつつ、赤裸々に綴られていた。[全文を見る]

「子ども時間」こそ、スローライフ  筑紫哲也

子どもに話をするのはとてもむずかしい。だから、私はそういうお誘いは極力辞退してきたのだが、のっぴきならぬ事情から、年に何回かは高校生を前にして話をする機会がある。自分にとっては普段はやらない挑戦だから、それはそれで興味深いことがあり、発見もある。[全文を見る]

脳をよみがえらせる算数  竹内薫

先日、ヨガのインストラクターをしている妻が、通勤電車の中で、某学習塾の広告に載っている問題を覚えてきた(解いたのではない。文面を覚えてきたのである)。私は、たまたま、ちくま新書の編集のMさんと家で雑談していたのだが、「あなたたち、この小学生向けの算数の問題、解けるかしら?」[全文を見る]

『介護と恋愛』ドラマ化によせて  遥洋子

何のために本を書くのか、という問いに、ひとつの答えをくれたのが『介護と恋愛』の執筆だった。その前に書いた『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』では、ゼミ仲間になんのために本を書くのかを執拗に聞いて回った記憶がある。それが明確ではないと、方向を見誤り沈没しそうな恐怖感があった[全文を見る]

漢詩のリズム  興膳宏

フランスの中国古典学者の友人が、あるとき私にいった。「日本人は誰でも漢詩が読めて、うらやましいですね」。さて、このことばはどう理解すればよいのか。ラテン語はフランス語の祖語である。だが、フランス人なら誰でもラテン語の詩が読めるわけではない。[全文を見る]

新連載
[古本屋は女に向いた職業 ー 女性古書店主列伝]1・古書日月堂 佐藤真砂さん|岡崎武志


連載
[連作 少年]3・未来の仔犬|谷川俊太郎
[住時茫々老人多難日暮日記]2・幕末太陽伝の謎|石堂淑朗
[絶叫委員会]7・ヤクザの言葉|稲村弘
[小津ごのみ]17・笠智衆さんのこと|中野翠
[音楽が聞える]18・対話と思索|高橋英夫
[思考の補助線]17・漱石の失敗|茂木健一郎
[明日への回想]3・不安について|菅野昭正
[ネにもつタイプ]56・運|岸本佐知子
[おはよう、水晶 ─ おやすみ、水晶]5・記憶の埋め水晶|笙野頼子
[ドン・キホーテの末裔]22|清水義範
[いつか晴れた日に]14|長野まゆみ
[真剣外伝]6・荒法(第六回)|海道龍一朗

コラム
[酒井七馬の謎]3|中野晴行
読者のひろば
編集室から


表紙絵 奈良美智 「灯台」
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美

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