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第436号2007年7月目次

表紙裏
[NARA NOTE +1]19・最後の夜|奈良美智

巻頭随筆
[人間、とりあえず主義]106・少子化対策|なだいなだ

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今月の立ち読みちくま

追悼・今村仁司 理論と批判が一致する理由 三島憲一

 今村仁司氏が亡くなった。惜しい。そして悔しい。『批判への意志』という著書のタイトルからもわかるように、理論的であるということは、批判的であることだという事態を、その文章の一行一行で体現している、現代日本の数少ない思想家であった。理論的であって、没批判的もしくは現状肯定的であるということは、今村氏にとってはあり得ないオプションであった。[全文を見る]

「私」という謎の終焉 —— 『錯覚する脳』の刊行に寄せて 村上憲郎

 最近どうも情報系の学科の人気が衰えてきて困っているという話を、方々で聞く。驚くことにIT先進国の米国においても、コンピュータ学科の人気は一頃ほどでないとのことである。一昔前の大型機を凌駕するような高性能のパソコンが誰にでも手に入る時代を迎えて、素人でも、たやすくそこそこのソフトウエアが作れるようになり、学生達が、コンピュータ科学の基礎を地道に勉強することに価値を見出せなくなっているのかもしれない。 [全文を見る]

等身大をモットーに 上大岡トメ

私がイラストの仕事を始めてから、十七年の月日がたちました。
 その時、影も形もなかった二人のコドモたちも、今年長女が中三、長男が中一に。今でこそ、ごはんも着替えもフロも勝手にさっさと済ませますが、彼らがまだ手のかかる小さい頃のこと、いかに私が彼らを相手にしながら仕事をしてきたか、そんな日々のことをエッセイとイラストでこの度本にまとめました。 [全文を見る]

レッツ、世界征服 岡田斗司夫

 政治や経済についての報道を見ているとき、あるいは雑誌や新聞で評論家がときおり「征服」「支配」という単語をつかうと、ドキッとします。
 かつて僕は、毎日のように「世界征服」を考える仕事をしていたからです。 [全文を見る]

松島の松 長谷川 櫂

  松島やあゝ松島や松島や

 松島の風光があまりにもすばらしいので芭蕉は松島の句が詠めなかったとか、この嘆息のような句をもらしただけだったとか、例によって世間ではおもしろおかしく言い伝えている。 [全文を見る]

「新宗教建築論」の集大成 —— ちくま学芸文庫版『新編 新宗教と巨大建築』に寄せて
橋爪紳也

 生家の真向かいが天理教の大教会であった。昭和三〇年代の後半、大阪の都心といえども、高層の建物はまださほど多くはなかった。私の勉強部屋の窓から正面に、多くの樹木に囲まれた木造の教会が見えていた。遠近感を忘れてしまえば、遥か遠くに見える通天閣が、その棟から生えているといった風情であった。毎朝、教会から聞こえて来る雅楽の調べが、子供の頃の私にとって心地よいモーニングコールであった。 [全文を見る]

こわい本が残された。 最相葉月

 実家の書棚に、吉行淳之介の文庫が並んでいた。母の愛読書だった。随筆『女のかたち』の米倉斉加年による艶めかしい表紙絵(半裸の女)や、文庫カバーのあらすじだけでも、十代の私には刺激が強すぎた(「オリーブオイルを滴らせた股間の交接」とか「見知らぬ女がやすやすと体を開く」などとある)。生唾を呑みながらページを繰ると、娼婦の前でうろうろフラフラする男の話である。 [全文を見る]

新連載
[コピー機が憎い!!]1|津村記久子

連載
[連作 少年]12・さよならは仮のことば|谷川俊太郎
[青春の光芒 異才・高橋貞樹の生涯]2・序章 水軍の末裔(その二)|沖浦和光
[小津ごのみ]26・若き日の小津1 サイレント時代|中野翠
[東京物体]4・川上音二郎像の台座|大川渉
[オタク文化の現在]5・オマエラキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!の心理|竹熊健太郎
[近代ヤクザの素姓]3・最終回|宮崎学
[絶叫委員会]16・あるけどないもの|穂村弘
[往時茫々老人多難日暮日記]11・種村李弘が消えた|石堂淑朗
[古本屋は女に向いた職業|女性古書店主列伝]10 古本海ねこ 場生松友子さん|岡崎武志
[明日への回想]12・入試二題|菅野昭正
[ネにもつタイプ]65・怖いもの|岸本佐知子
[真剣外伝]15・群青(第五回)|海道龍一朗
[おはよう、水晶——おやすみ、水晶]13・過去を生きる力|笙野頼子

コラム
[偽雑記]3|間村俊一
第二十四回太宰治賞 作品募集
読者のひろば・編集室から

表紙作品 奈良美智 2007. 撮影・細川葉子
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美

2008

2007

2006

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