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第429号2006年12月目次

表紙裏
[NARA NOTE +1]12・Under the Tree|奈良美智

巻頭随筆
[人間、とりあえず主義]99・きっと他にもあるぞ|なだいなだ

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今月の立ち読みちくま

立原道造/詩と建築と

立原道造全集の刊行は、これで五回目になるのですが、これは日本の詩人のなかでは異例に多いと思いますし、それだけこの詩人に対する関心と興味が持続しているということだろうと思います。彼自身は建築家でもありましたから、そういう側面の彼のあり方も、今回初めて、なるべく多く収めていこうとしています。[全文を見る]

移動する境界で、物語の気配を。  堀江敏幸

水辺にて、というタイトルが付されているけれど、その下にすかさず on the water /off the water と微妙な副題が添えられている。水の上にいるか、水からあがっているか、ふたつにひとつ。陸か海か、山か川か、平地か湖か、つまり、固くて動かないものとつねに流れているものの対比ではなく、あくまで基準は水、それも水中ではなくて水上にある。[全文を見る]

前略 昔のわし様  西 加奈子

大学を卒業してから、大阪で一人暮らしを四年間しました。そのうち二年半住んだのが、四天王寺というお寺のそばでした。立派なお寺で、とても閑静でしたが、坂を下るとすぐ日本橋という電気屋街、少し南へ進んでから坂を下ると、動物園や新世界。ほんの少しの移動で、ごちゃごちゃと賑やかな、「大阪らしい」場所に行けました。
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『屋上がえり』が出来るまで  石田 千

空とコンクリートにかこまれ、ぼんやりする。地に足つかぬこころもちで、体だけなまなましい。頭をからっぽにするために来たつもりが、もとよりからっぽだったと気づく。[全文を見る]

「わかりやすさ」は「無知の知」から  池上 彰

「話合いをして、なにが悪いの?」

談合事件摘発のニュースを、私が担当していたNHK「週刊こどもニュース」で取り上げたときのことでした。
出演者の子どもに、こう聞かれたのです。[全文を見る]

「たとえ話」と現実  加藤 隆

この夏は「韓流ドラマ」にハマってしまった。一つのドラマが二十話・四十話といった長いものだから、まだ幾つかしか見ていない。その範囲であえていうならば、私のおススメは『バリでの出来事』である。ソ・ジソブという俳優は、他のドラマでのようにチンピラめいた役でなく、『バリでの出来事』でのように寡黙で秘めたものを目で表現するような役を演じた方が彼の高い価値を素晴らしく表現できる、といった類の感想を述べられるくらいにはなった。[全文を見る]

虎  北村 薫

その頃——が、いつを指すか、久世先生の読者になら、説明を加えるまでもない。子供時代を、その頃、過ごした向田邦子さんや青木玉さんは、使う《言葉の匂いがどこか似ている》——と、この本に書かれている。「ドラマの中の言葉」の一節だ。文は、こう続く。《時代の匂いとでもいうのだろうか、ふんわりと温かく、品がよくて懐かしい》。[全文を見る]

二一世紀のケインズとハイエク  江頭 進

間宮陽介の『ケインズとハイエク』が最初に刊行された一九八九年から、既に一七年が経過した。当時はようやく日本語版『ハイエク全集』の刊行が始まったばかりで、ハイエクにかんする書籍は『隷従への道』や『科学による反革命』などの翻訳と概説書が何点かあるだけであった。実際、経済学者ですらハイエクの名を知らないこともあった。[全文を見る]

連載
[連作 少年]5・音楽の中へ|谷川俊太郎
[小津ごのみ]19・小津と成瀬の原節子|中野翠
[古本屋は女に向いた職業|女性古書店主列伝]3
海月書林 市川慎子さん|岡崎武志
[思考の補助線]19・暗闇への跳躍|茂木健一郎
[音楽が聞える]20・照応の人|高橋英夫
[絶叫委員会]9・恋人たちの言葉・その2|穂村弘
[往時茫々老人多難日暮日記]4・浦山桐郎の晩年|石堂淑朗
[明日への回想]5・受験極楽|菅野昭正
[ネにもつタイプ]58・みんなの名前|岸本佐知子
[いつか晴れた日に]16|長野まゆみ
[おはよう、水晶——おやすみ、水晶]7・ヴァーチャル・ナイト|笙野頼子
[真剣外伝]8・荒法(第八回)|海道龍一朗
[ドン・キホーテの末裔]24・最終回|清水義範

コラム
[紙の上の授業]2|大倉将人

読者のひろば
編集室から

表紙作品 奈良美智 “UNDER THE TREE”
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美

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