月刊ちくまのご案内です。一部の内容はホームページ上でお読みいただく事ができます。

「本当の贅沢」と「自分のルール」。 千野帽子
早川茉莉さん。
パリ、セーヌ左岸のカフェで、あなたの『森茉莉かぶれ』を読ませていただきました。『森茉莉かぶれ』はあなたが森茉莉に宛てたお手紙ですから、他人宛のお手紙をこっそり盗み読みしてしまったことになります。 [全文を見る]
節目の時間に見えてくるもの 蜂飼耳
中島京子の『冠・婚・葬・祭』は、生きている時間のなかに浮かんでは消えていく特別な出来事を切り取り、描き出す。タイトルが表す通り、四つのストーリーを収める小説集。冠婚葬祭、人生の節目、ハレの時間帯。昔から受け継がれてきた習俗と感覚は、この本のなかで、現代のものとしてのかたちを与えられて、登場人物たちをゆるやかに繋いでいく。 [全文を見る]
こちらこそはじめまして 山崎ナオコーラ
私がこの『ミッキーかしまし』を読んで、まずびっくりしたのは、次の二つです。
1「はじめまして」から、はじまっていること。
2文章の多くが、ですます調で書かれてあること。 [全文を見る]
なんでやねん! 本郷和人
漫才は「ぼけ」と「つっこみ」。才気に満ちた方が「ぼけ」役にまわり「つっこみ」は「ふんふん」と頷くだけ、というコンビも見かける。あれでギャラは折半なのかな。さもしい考えが頭をよぎる。だが、鋭い「つっこみ」がなければ「ぼけ」がいきないとは見巧者の一致した見解であり、調和のとれた平衡状態に「なんでやねん!」いかに波風を立てるかが、「つっこみ」の腕の見せ所となる。 [全文を見る]
最高の西洋館 鈴木博之
日本の西洋館や産業遺産、それに和風の御殿などを含めて、いちばん数多く見ている人はおそらく増田彰久さんではないかと思う。専門の研究者たちは自分の専門分野や地元の地域を見て歩いているけれど、オールラウンドに総計をとれば、増田さんがもっとも数多くの建築や土木施設を見ているに違いない。 [全文を見る]
『象徴天皇という物語』の生まれたころ 小熊英二
赤坂氏と最初に会ったのは、一九八八年だった。私は大学卒業後、八七年四月に岩波書店に入って雑誌『世界』の編集部にいた。仕事を覚えるのでせいいっぱいだった時期がすぎ、自分なりに企画を立ててみようとしていたころだった。 [全文を見る]
未知を読む 外山滋比古
本が読まれない、これでは困るというので「文字・活字文化振興法」という法律ができた。これだけ教育の普及した社会として名誉なことではない。なんでもとにかく読めばよいというのだから恥しい話である。 [全文を見る]
愉快なアイルランド人たちと、ジョン・ヒューストン「白鯨」 川本三郎
レイ・ブラッドベリを翻訳するのは二度目になる。最初のものは、短篇選集『万華鏡』(サンリオSF文庫、七八年)。一九六五年にヴィンテイジ社から出版されたブラッドベリ自身の選による短篇集“The Vintage Bradbury“の訳である。 [全文を見る]
連載
[古本屋は女に向いた職業——女性古書店主列伝]14・最終回・山猫館書房 水野真由美さん|岡崎武志
[それなりに生きている]3・これからのおやじ|群ようこ
[いにしへ東京歳事記]4・「秋の空澄み 菊の香高き……」|鈴木理生
[平成コメディアン史]3・芦屋雁之助・確かな”ドサ”の芸(承前)|澤田隆治
[明日への回想]16・何でも知ってやろう|菅野昭正
[東京物体]8・港屋絵草紙店の碑|大川渉
[青春の光芒——異才・高橋貞樹の生涯]6・第一章 第二次大戦下の青春(その三)|沖浦和光
[絶叫委員会]20・世界を凍らせる言葉|穂村弘
[オタク文化の現在]9・女性のオタクの諸問題|森川嘉一郎
[ネにもつタイプ]69・ヨミチンと遊んだころ|岸本佐知子
[八幡の湯]9|山本一力
[真剣外伝]19・群青(第九回)|海道龍一朗
[おはよう、水晶——おやすみ、水晶]17・合わせ鏡の行方|笙野頼子
[コピー機が憎い!!]5|津村記久子
コラム
[「入谷コピー文庫」外伝]1|堀内恭
読者のひろば
編集室から
表紙作品 奈良美智 LIFE IS ONLY ONE!(2007,部分)
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美
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FAX番号 048-666-4648
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